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保育所保育指針
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   第一一章 保育の計画作成上の留意事項

 保育の計画作成に当たっての留意事項をあげれば、次のようになる。

1 保育計画と指導計画
  保育所では、入所している子どもの生活全体を通じて、第一章に示す保育の目標が達成されるように、全体的な「保育計画」と具体的な「指導計画」とから成る「保育の計画」を作成する。
  このような「保育の計画」は、すべての子どもが、入所している間、常に適切な養護と教育を受け、安定した生活を送り、充実した活動ができるように柔軟で、発展的なものとし、また、一貫性のあるものとなるように配慮することが重要である。
  保育計画は、第三章から第一〇章に示すねらいと内容を基に、地域の実態、子どもの発達、家庭状況や保護者の意向、保育時間などを考慮して作成する。
  また、指導計画はこの保育計画に基づき、子どもの状況を考慮して、乳幼児期にふさわしい生活の中で、一人一人の子どもに必要な体験が得られる保育が展開されるように具体的に作成する。

2 長期的指導計画と短期的指導計画の作成
 (1) 各保育所では、子どもの生活や発達を見通した年、期、月など長期的な指導計画と、それと関連しながらより具体的な子どもの生活に即した、週、日などの短期的な指導計画を作成して、保育が適切に展開されるようにすること。
 (2) 指導計画は、子どもの個人差に即して保育できるように作成すること。
 (3) 保育の内容を指導計画に盛り込むに当たっては、長期的な見通しを持って、子どもの生活にふさわしい具体的なねらいと内容を明確に設定し、適切な環境を構成することなどにより、活動が展開できるようにすること。
  ア 具体的なねらい及び内容は、保育所での生活における乳幼児の発達の過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮して、子どもの実態に応じて設定すること。
  イ 環境を構成するに当たっては、子どもの生活する姿や発想などを大切にして、具体的なねらいを達成するために適切に構成し、子どもが主体的に活動を展開していくことができるようにすること。
  ウ 子どもの行う具体的な活動は、生活の流れの中で様々に変化することに留意して、子どもが望ましい方向に向かって自ら活動を展開できるように必要な援助をすること。
 (4) 一日の大半を保育所で生活する子どもの行動は、個人、グループ、組全体など多様に展開されるが、いずれの場合も保育所全体の職員による協力体制の下に、一人一人の子どもの興味や欲求を十分満足させるように適切に援助する。
 (5) 子どもの主体的な活動を促すためには、保育士が多様な関わりを持つことが重要であることを踏まえ、子どもの情緒の安定や発達に必要な豊かな体験が得られるように援助を行うこと。
 (6) 長期的な指導計画の作成に当たっては、年齢、保育年数の違いなど組の編成の特質に即して、一人一人の子どもが順調な発達を続けていけるようにするとともに、季節や地域の行事などを考慮して、子どもの生活に変化と潤いを持たせるように配慮すること。
    なお、各種の行事については、子どもが楽しく参加でき、生活経験が豊かなものになるように、日常の保育との調和のとれた計画を作成して実施すること。
 (7) 短期の指導計画の作成に当たっては、長期的な指導計画の具体化を図るとともに、その時期の子どもの実態や生活に即した保育が柔軟に展開されるようにすること。その際、日課との関連では、一日の生活の流れの中に子どもの活動が調和的に組み込まれるようにすること。

3 三歳未満児の指導計画
  三歳未満児については、子どもの個人差に即して保育できるように作成し、第三章から第六章に示された事項を基に一人一人の子どもの生育歴、心身の発達及び活動の実態などに即して、個別的な計画を立てるなど必要な配慮をすること。特に、一日二四時間の生活が連続性を持って送れるように、職員の協力体制の中で、家庭との連携を密にし、生活のリズムや保健、安全面に十分配慮すること。

4 三歳以上児の指導計画
  三歳以上児については、第七章から第一〇章までに示す事項を基に、具体的なねらいと内容を適切に指導計画に組み込むこと。
  組など集団生活での計画が中心となるが、一人一人の子どもが自己を発揮し、主体的な活動ができるように配慮すること。

5 異年齢の編成による保育
  異年齢で編成される組やグループで保育を行う場合の指導計画作成に当たっては、一人一人の子どもの生活や経験などを把握し、適切な環境構成や援助などができるよう十分に配慮すること。

6 職員の協力体制
  所長、主任保育士、組を担当する保育士、また調理担当職員など保育所全体の職員が協力体制を作り、適切な役割分担をして保育に取り組めるようにする。

7 家庭や地域社会との連携
  保育は家庭や地域社会と連携して展開されることが望ましいので、指導計画の作成に当たっては、この点に十分に配慮をすること。その際、地域の自然、人材、行事や公共施設などを積極的に活用し、子どもが豊かな生活体験ができるように工夫すること。

8 小学校との関係
  小学校との関係については、子どもの連続的な発達などを考慮して、互いに理解を深めるようにするとともに、子どもが入学に向かって期待感を持ち、自信と積極性を持って生活できるように指導計画の作成に当たってもこの点に配慮すること。

9 障害のある子どもの保育
  障害のある子どもに対する保育については、一人一人の子どもの発達や障害の状態を把握し、指導計画の中に位置づけて、適切な環境の下で他の子どもとの生活を通して、両者が共に健全な発達が図られるように努めること。
  この際、保育の展開に当たっては、その子どもの発達の状況や日々の状態によっては指導計画にとらわれず、柔軟に保育することや職員の連携体制の中で個別の関わりが十分とれるようにすること。また、家庭との連携を密にし、親の思いを受け止め、必要に応じて専門機関からの助言を受けるなど適切に対応すること。

10 長時間にわたる保育
  長時間にわたる保育については、子どもの年齢、生活のリズムや心身の状態に十分配慮して、保育の内容や方法、職員の協力体制、家庭との連携などを指導計画に位置づけて行うようにする。

11 地域活動など特定事業
  地域活動など特別事業を行う場合は、実施の趣旨を全職員が理解し、日常の保育との関連の中で、子どもの生活に負担がないように、保育計画及び指導計画の中に盛り込んでいくこと。

12 指導計画の評価・改善
  指導計画は、それに基づいて行われた保育の過程を、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即して反省、評価し、その改善に努めること。


保育指針研究会
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